『海外駐在員』
すごいですよね!という反応が返ってくることが多いと思います。
「海外駐在は勝ち組」「花形」「憧れ」・・・などなど様々なイメージを持たれているのではないでしょうか?
でも、「海外駐在は勝ち組」というイメージは本当なのでしょうか?
華やかな言葉の裏側に隠れた現実が気になりませんか?
私の知るいろいろな海外駐在員のリアルな裏側について、調べてみました。
…今回の記事を読んだ方は、ちょっとリアルすぎてイメージが変わるかも、です。
目次
海外駐在員の一般的なイメージ
理由は様々ですが、大体の人がこのようなイメージを持っていると思いますが、どうでしょう?
①外国語(特に英語)がスラスラと話せる
②優雅な生活を送っている
③仕事ができて、人望も厚い
④なんか、かっこいい!
テレビなどで取り上げられている駐在員は、まさに一般の持つイメージ通りのスーパーマンのような、すごい人ばかりですよね。
海外駐在員とは、海外転勤で一時的に海外へ移住しているサラリーマンのこと。どんな職種であっても、会社の命令で日本から海外に転勤した場合は「海外駐在員」と呼ばれる。自分の意思で海外へ就職した人は「現地採用職員」と言われており、駐在員とは区別されている。
実は、「海外駐在員」と「現地採用職員」にはびっくりするほどの待遇の違いがあります。
日本の企業から赴任を命じられた「海外駐在員」には、給料や待遇の面で様々なメリットがあります。
一方、「現地採用職員」には、海外駐在員に付与されるような手当等は一切ないんです。
たとえ同じ日本人として一緒に「同じ」仕事をしていても、駐在員の立場や役職など、最初から違っています。
海外駐在員が勝ち組と言われる理由
それでは、なぜ海外駐在員が「勝ち組」と言われるのかそれぞれ理由を見ていきたいと思います。
いろんな”メリット”があるから、海外赴任のある仕事を目指す人が多いんです!
海外駐在員になれば出世コースに乗るの?
よく聞く大企業では、海外駐在の経験があれば「将来の幹部候補」として、社内で出世コースを辿ると言われていました。
外国人とコミュニケーションを取りながら現地でも成果を挙げ、華々しいその活躍が会社の上層部で語り草になっている…確かに、そうなればすごい人ですよね。
経営的な観点から、「海外で経験を積んだ若手社員に、将来的に会社の発展に役立ってほしい」と、企業は海外駐在に社員を送り出します。
そして、その海外駐在に選ばれるのは「将来の幹部候補」として社内選考で見込まれた社員です。
しかし!
実は一時期、企業の期待を背負って海外駐在や赴任、または会社負担で企業留学をした”社内期待の”若手社員が、現地で成果を挙げた後、更により良い就業条件を求めて他社もしくは現地企業に転職してしまうという、企業にとっては不測の事態が起こった例があります。
そういった事態以降、企業では海外駐在させる社員をより厳しい目で見ている、という背景もあるということも一時期では言われていました。
ちなみに「期待されて送り出された」海外駐在先で、しっかりとした成果や結果が出せれば、当然会社でも出世コースに乗るのは間違いないので、海外赴任は一つのチャンスでもあります。
成果を挙げても、なかなか評価されずらい…と感じている人なら、海外赴任先で成果を挙げると目立つこと間違いなし!だったりします。(何割増しかで評価されやすくなる場合も!)
海外赴任先で「メイド」がいる生活!?
これは地域によりますが、アジアや南米・アフリカなどの途上国で物価が安い国では、メイドさんを雇う場合もあります。
メイドさんは誰でもつけることができるの?
アジア圏や南米やアフリカなど、発展途上国に赴任する時には、保安上の関係からメイドや専用のドライバーを雇うことが、会社から義務付けられている場合もあるんです。
この様に、メイドを雇う必要がある国もあるために、その分の賃金も加味された給料を支給する企業もあるようです。
家の掃除や洗濯、現地の食材を使った料理など、現地での日常生活をサポートしてくれたり、ちょっとした現地の事などを聞けたりする存在というのは、実はとてもありがたいものです。
給料の話は次で詳しく説明していきますね。
お給料&手当で収入アップ!
みんな興味のあるお金のお話ですが、海外駐在員は日本で働いているよりも高給になる事が多く、年収で考えた場合、日本での金額の1.5倍が相場です。
海外駐在の場合、様々な手当てが支給されたり、日本での支出面を補われる部分もあるので、手取りだと1.8倍まで跳ね上がるケースが多いようです。
さらに・・・
住宅手当・家賃手当 帰国時の交通費 お子さんの養育費 英会話スクールの費用 メイドの賃金 専用ドライバー費用 医療費・治療費 危険地域手当 出張手当 等
合わせて年収が1000万円超えるケースもあるのです。日本から比べると、高給になりますね!
でも、これらの手当てを含んだ給料で忘れていけないことは、「駐在員だから」という部分です!
これらが海外駐在が勝ち組と言われる由縁です。
海外赴任の給与について、詳しく説明した記事↓も書いてみました。
勝ち組になれる海外駐在のメリット
海外駐在には国内の勤務では得られない、大きなメリットがあります。
国際感覚が身につく
海外で働くことによって、リアルな国際的な感覚が身に付きます。
と言っても、ただ働くだけで身につくわけではありませんのでご注意を!
日本とは全く違う文化や価値観を持つ「商習慣」の中で働くので、予想もつかない困難にぶつかることもあるかもしれません。
話し方一つでも、全く自分の意見が伝わらないことも。
海外でも自分の意見をわかりやすく、かつ相手に伝わる様に話せるようになれば、「国際的なコミュニケーション能力」を身に付けることが可能になります。
それは今後のキャリア形成にも大きな武器となります!
海外駐在に選ばれる素質についても書いてみたので、ぜひご覧ください。
マネジメント能力が身につく
海外駐在員として赴任する際は、現地でのまとめ役をするような立ち位置で働くケースが多いのですが、海外の現地スタッフをまとめたりした経験は日本に戻っても必ず活かす事ができます。
現地のスタッフと仕事をするには、言葉の壁はもちろん、国民性や文化の違いからくる価値観の違いがあります。その中でうまくチームワークを発揮する事ができれば、同世代のマネージャーと比較しても秀でるものとなりますよ!
このようなマネジメントスキルは、近い将来、役職が上がっていくにつれて求められる能力です。
海外駐在では、日本よりも「揉まれることのできる」すごいチャンスでもあるんです!
現地の人脈も作ることができる
海外の勤務では、日本では得ることのできない人脈を築く事ができます。
日本人の価値観や文化などに関心の高い外国人は多く、日本でビジネス展開を考えている外国人もいるでしょう。
いろいろな場面で、積極的に出席すれば少なからず声をかけてもらえる可能性が高いのです。ここでできた人脈は現職だけでなく将来に役立つ日が来るかもしれません。
今まで知り得なかった人たちとの出会いは、新たな発見もたくさんあって楽しいものですよ。
・・・偶然的ですが、私は20年前の旅先で出会った人から「ビジネスの話」が舞い込んだこともあるんです!
今後のキャリア構築に有利になる
海外駐在の経験は、社内だけでなく転職の際のキャリアアップに活かせます。
30代から40代、そして50代になった際に企業から求められる人材にはいくつかのパターンがあります。「マネジメント経験者」「特定のスキルに特化した人材」そして「海外勤務経験者」です。
海外展開を考えている企業は、社内に経験者がいないため中途採用で探す場合も多いのです。
海外勤務を経験することで、大きなカードを二枚手にする事ができます。単なるスキルだけではなく、人間性としても評価されるので、人材価値を高める経験としてうってつけのキャリアですね。
この経験は実力の一つです!
負け組になっちゃう海外駐在のデメリット
気をつけなければならないのが、海外駐在のデメリットです。
これらに気をつけなければ、勝ち組・出世コースどころか、負け組の仲間入りをしてしまうかも!
デメリットをきちんと把握しておく事で防げますので、ぜひこの機会にチェックしてください。
海外では”仕事は自分で覚える”
よく言われてる話ですが、通常は「丁寧に仕事を教えてもらう」ことは無いと思ってください。自分で学んで成長するのが一般的です。
自分自身で何が悪かったか、何が良かったか、振り返りを行い仕事のやり方を「前進しながら」やるべきです。そんな中で、自分のスタイルを獲得できたら「今後負け知らず」です!
折角海外赴任のチャンスを得て海外にいたのに、日本に帰った時に「窓際族まっしぐら」なんてことにならないように気をつけてくださいね。
日本人コミュニティの束縛
日本で働いていた時に比べると、現地の拠点の日本人は少人数ですから狭い関係になりがちです。
その上、日系の企業であれば終業後の飲み会などの「日本的なつきあい」もある可能性が。
しかし、辛い時や疲れた時に同じ言葉でコミュニケーションできる日本人の友人は、悩み事を相談しあったり、互いに刺激しあったりできるとてもありがたい存在でもあります。
時には慰めあったり、愚痴を言い合ったり、ストレス発散のためにたまには飲みに行くのもいいかもしれませんが、程々にバランスよく付き合えると良いですね。
その他にも海外生活でつらいと感じることや解決法を、こちらの記事でご紹介しています。
海外駐在経験を有意義にするためのコツ
海外駐在は決してゴールではありません。そこから何を学んでどう成長していくかどうかが大事なのです!
文化や生活習慣の違いから戸惑ってしまうこともたくさんあります。
私もスペインでいくつかのプロジェクトに加わって、仕事の進め方が「こんなに違うのか…」と驚いたりしましたが、その中でラテン系の仕事の進め方を知りました。。。
自分が海外駐在中にそこで何を学べて、何を吸収できるのか、目的意識を持つことで、きっとこの先の結果が全然違うものになるでしょう。
壁にぶつかった時ほどチャンス!と思って頑張ってみるべきです。
ぜひ自身のキャリアアップのために海外駐在を狙ってみてはいかがでしょうか?
駐在生活を充実させるためのコツも書いてみたので、ご覧ください。
今回の記事が、海外駐在への更にリアルな現実と、「チャレンジしようかな?」と思ったらぜひこの機会にできることから始めてみませんか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
そう!よくわからないけど、海外駐在員ってなんだかかっこよく感じませんか?
でも、海外駐在員ってそもそもどうなんでしょう?