海外赴任・海外駐在で住民票を抜くとお得なのかを比較してみた!

 

海外赴任・海外駐在が決まると、いろいろな手続きをしなければならない場合が多いと思います。

 

私もスペインに拠点を移すまでの間、手続きに迷ったりして大変でした。

 

そしてその際に迷ったことの一つが住民票をどうすればいいのかという問題です。

 

今回は海外に行く際に、住民票を抜かない場合と抜く場合とで、どんな問題があるのか比較してみたいと思います。

 

特に住民票に関わる部分で実際に影響の出た経験もありましたので、共有させていただきますね!

 

海外赴任で「住民票を抜かない」選択

 

多くの海外赴任者の目安として、住民票を残しておく目安にしているのが海外赴任期間が1年未満の場合です。

 

単純に、単身赴任で海外駐在が1年以上に及ぶ場合は、住民票を抜いて行く方が多いようです。

 

住民票がある・なしで変わるのは以下の3つです。

  • 税金(住民税)
  • 国民年金
  • 国民保健

住民票をぬかない場合とぬいた場合で、この3つがどう変わるのか詳しく解説していきますね!

 

更に、ご家族の状況や「海外赴任中に法的手続きが必要になりそうだ」といった個別事情も、実は住民票の有無に関わってきます。

 

モニカ
住民票を抜くか抜かないかで、1年間にかかる支払い額も大きく変わってきますよ!

 

住民票を抜かないと具体的にどうなるの?

 

さて海外赴任する際に、住民票のある・なしによってどんな問題が起こるのでしょうか?

 

簡単に言うと、このような感じです。

 

  • 日本の企業から全額の給料が支払われるケース

→厚生年金・社会保険は継続となるので、主に問題となるのが「住民税」

  • 現地法人から全額現地通貨で給料が支払われるケース

→日本の厚生年金や社会保険に加入できないことになるため、「住民税」以外にも「国民年金」「国民健康保険」のことも考えなくてはいけない

 

どちらの場合も一度海外に出てしまうと容易に手続きができなくなるので、赴任先情報と事前の情報収集をしっかりすることをおススメします。

 

住民票を抜かない場合 ①住民税

 

「住民票を抜かない=住民票を残しておく」ということは、書類上「日本に在住している」という事になるので住民税はそのまま支払い続ける義務があります。

 

住民票を抜かない場合 日本に在住しているのと同じ扱いなので、引き続き住民税がかかる
住民票を抜いた場合 住民票をぬき、同時に「海外転出届」を出す事によって翌年からの住民税がかからなくなる。

※住民税は、前年度の収入額に基づき計算されます。

 

「住民票を抜く」ということは、同時に「海外転出届を出す」ということになりますので、ここはセットで覚えておいてくださいね。

 

基本的に私達は、毎年「1月1日」に日本に居住していた時点で、その年1年分の住民税を支払わなければなりません。

 

年度の途中で住民票をぬいても、その年の住民税は収める必要があります。

 

ということは、海外転出するタイミングも非常に重要です。

 

モニカ
たとえば12月31日に日本を出国すれば翌年の住民税はかからなくなるけど、1月1日に出国するならその年も住民税を払わなければいけなくなるんです!

 

そのうえ、前年度の収入額によって税額が決定されるので、前年度にたくさん稼いでた方はその分の住民税を徴収されます

 

ちなみに海外転出届は大体出国の2週間~1ヶ月前から受け付けてくれます。

 

お住まいの自治体に確認してみてくださいね。

 

住民票を抜かない場合 ②国民年金

 

住民票をぬかない場合は、国民年金の支払い義務が発生します

 

住民票を抜かない場合 国民年金 月額16,410円(2020年現在)
住民票を抜く場合 国民年金の加入義務が無くなるので、支払う必要がなくなる。

 

住民票をぬかずに国民年金を支払い続ける場合、その負担額は1年間で196,920円です。

 

この額は結構大きいですよね。

 

今更ですが…国民年金制度って?

日本国内に住んでいる、日本国籍保持者すべての人に加入義務がある制度です。

現在は65歳での受給開始となっており、20歳~60歳までの期間絶えず支払い続けることで、満額受け取ることが出来ます。

受給資格としては、最低10年間の支払い期間があれば年金を受け取れることができます。

厚生労働省発表の「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均的な月額支給額は5万5,805円 とのことです。

 

払った分だけ将来に受け取れる額が増えるので、住民票を抜いても任意で年金を払い続けるという選択もできます。

 

現在日本の年金制度は10年間の支払いで受給資格がもらえるようになりました。

 

例えば

「8年間分は既に払ってきたから、受給資格をもらうためにあと2年払っておこう」

という選択も出来るということです。

 

赴任先が決まったら、その国の年金事情をリサーチしておくことをオススメします。

 

実は国によっては、日本より支払い期間が短くても年金を支給してくれる国もあるからです。

 

例えば、オランダは年金に加入する「最低加入年数」が設定されていないので、たとえ私たち外国人でも数年間オランダで働けば年金が支給されます。

 

ちなみに駐在・赴任先の国で強制的に年金加入などがある場合、「年金保険料の二重負担防止」として、日本が社会保険協定を締結している国とは「年金加入期間の通算」ができるようになっています。

 

現在、日本は23か国(2019年10月時点)の主だった国と既に協定を結んでいますが、一部の国とは「二重負担防止」のみで「通算できない」国もあるようですので、要チェックです!

 

 

モニカ
協定国は変動する場合もあるので、日本の年金事務局の社会保険協定などをみてチェックして、事前に問い合わせて直近の状況を把握しておくと良いですよ!

 

住民票を抜かない場合 ③国民健康保険

 

住民票をぬかない場合は、前述の国民年金同様に、国民健康保険料を納める義務が発生します。

 

住民票を抜かない場合 日本に在住している状態のため、引き続き国民健康保険料がかかる
住民票を抜く場合 自動的に国民健康保険の加入が抹消されるため、国民保険料はかからない

 

私がスペインに移住する際に色々迷い、考えた部分でもあります。

 

実は当初から「日本とスペイン半々」になりそうな年間スケジュールで動いていたからです。

 

日本の住民票を抜けば、日本の健康保険が使えなくなります。

 

住民票を抜けば月々の健康保険料が無くなるので、金銭的には楽になりますが日本での病院代が100%実費になります。

 

住民票を抜かなければ、その代わりに住民税・国民年金・国民健康保険料の支払いが毎月発生する・・・。

 

モニカ
「日本にいる間はどうする?」という不安感が発生しますよね?

 

もし、日本企業から給料が全額支給される場合は、日本の社会保険はそのまま継続となるので一時帰国の際にも現行の保険証で病院にかかることができます

 

ご家族を日本に残して単身赴任される方も、この方法を取っているのが多数のようです。

 

よく聞くのは、こういったケースでは「海外赴任だけど、日本に社用や私事で時々帰国」という状況も多いようです。

 

海外療養費制度

日本の健康保険には「海外療養費制度」という制度があります。

海外で病院にかかった場合、診療明細書を受け取り、2年以内に日本の役所へ提出することで、病院でかかった費用の一部が払い戻されます。

この制度は日本の保険証が海外で適用されるということではなく、あくまで日本帰国後の事後申請です。

病院での支払いは全額負担となり、特に海外の医療費は高額のため注意が必要です。

 

ただし、日本の健康保険証で海外の病院にはかかれませんので、海外の病院での受診には海外専用の保険に加入する必要があります。

 

そのため、単身赴任者は「海外赴任者のための、民間保険会社の保険」に入っていくことになると思います。

 

クレジットカード付帯の保険(それぞれのクレジット会社の規約参照)もありますし、各保険会社が出している駐在用の保険も色々な種類のものが出ているようです。

 

海外用保険に入っていれば現地での病院代などは補償してくれますので、よっぽどのことではない限り、心配はないと思われます。(日本語サービスが付いてくるところもあるようです。)

 

一時帰国で住民票を戻すことは可能?

 

さてここで、ふと疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。

 

一時帰国した時に、住民票を戻せばいいのでは?

 

本来、「国民健康保険」は日本在住の日本国民のための制度です。

 

健康保険は日本国民の相互扶助として、保険料を支払う義務と同時に医療費にかかる補助を受けられる権利となっていますので、短期間で出入りしていると「生活拠点ではない」と判断された場合は住民票を入れられなくなることもあるようなんです。

 

でも、住民票を入れるという事は「生活の拠点が当該地にある」という基準で判断されるとのことなので、自治体が「生活拠点が当該地になっている」と判断すれば、入れることができます。

 

モニカ
実は、ここは自治体の判断に委ねられているようなんです!

 

そして、住民票を入れる場合には、「パスポートに入国の証明印」が必要になります。

 

そのため、もし住民票を入れる予定がある場合は日本入国時のパスポートコントロールの際に「印鑑が必要である」旨を伝えて入国印を必ずもらうようにしてください。

 

法的な書類にも住民票が関わってくる

例えば、住民票を抜いて海外にいた時に、急に「法的な手続きのため、印鑑証明を至急用意してほしい」と家族から言われた際には、日本からその書類を送ってもらってから日本領事館で「印鑑証明に変わる書類」を作ってもらわなければいけません。

 

実は住民票を抜いた場合、登録しておいた印鑑証明も消滅することになるのです。

 

そうしたことから、家族や親族関連で法的な書類が発生しそうな時には、住民票さえ残しておけば日本で手続きできることになります。(本人が行けない場合は委任も可能。)

 

そういった書類は大抵3~6か月以内のものでなければならないという「有効期限付き」な場合もあるため、次の日本の帰国の際などまで待てる案件でなければ、住民票を入れたままで「万が一に備えておく」という事も必要かもしれません。

 

印鑑証明や住民票が必要なケースは、遺産相続や名義を持っている不動産や自動車の売買、契約書関連なので、急には動けない海外赴任の場合は「ある程度の想定」をしておくと良いでしょう。

 

住民票を抜くか抜かないかは、事前に各自で判断すべし

 

ということで、住民票を抜くか抜かないかは、それぞれの個別の状況次第となります。

 

住民票とセットになって関わってくるのは

  • 住民税
  • 国民年金保険料
  • 国民健康保険料
  • 住民票と紐づく各種届出

などが、住民票を入れるのと入れないのとで変わってきます。

 

<住民票を抜かない場合のまとめ>

  • 住民税が去年の収入額に応じて発生
  • 国民年金保険料を払う
  • 健康保険料を払い、従来通り3割負担
  • 役所関係や金融機関の手続きがある時も不便がない
  • 印鑑証明が必要な時も発行可能

 

<住民票を抜いた場合のまとめ>

  • 抜いた年のタイミングにもよるが、住民税がかからない(1月1日が基準)
  • 国民年金保険料を払わない(任意加入は可能)
  • 健康保険料を払わないが、日本で受診する場合は100%自己負担
  • 役所関係や金融機関の手続きをする場合に、必要な書類が変わってくる
  • 印鑑証明が取れないため、滞在国の日本領事館で別の証明をもらう必要がある

 

住民票を抜くか抜かないかは、支出面だけではなくその時々の状況に合わせて変わってくるので、海外赴任に向かう前の準備として、必要な手続き等を想定してリスト化しておくことをおススメします。

モニカ
ちなみに、私は最初の2年は様子見として住民票を抜かず、海外保険を加入して行き来していました。その後、ちょうど住民票を抜いて海外にいたタイミングで急に名義上関係があった不動産売買の話が持ち上がってしまい、実はその緊急対応で右往左往!

…実は、なんと誰も知らなかった「孫全員連名の名義になった祖父の土地」が発見されたのです!(苦笑)こんな想像もできないことがこんな時に起こることもあるんだ!と思いました。。。

 

海外赴任前の準備は悩むことがたくさんありますが、この記事がお役にたてれば嬉しいです。

 

しっかり準備しておけば、海外赴任もさらにゆとりを持って楽しめるのではないかと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

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