読者様の身近な方が、海外へ赴任されることが決まることもあると思います。
慣れない土地で新たな生活を始めるあの人に、何かを贈りたい。
ただ、あまり荷物になるようなものも迷惑になるかもしれないと考えた場合に、御餞別として現金を渡すこともありますよね。
でも、御選別を現金と決めたのはいいけれど、金額や用意するお札の枚数など迷われるかもしれません。
読者様は、現金を贈る際のマナーとして奇数と偶数どちらが相応しいのかご存知ですか?
「お金の決め事ってあるのかしら?」
「知らないで、失礼に当たったら大変!」
数字の気になる習慣もあるようですし、このように色々悩んでしまうかもしれません。
なので、今回は御餞別として現金を贈る際のマナーをご紹介させていただきます。
また、目上の方に失礼のないように贈るにはどうすべきかも解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
以前、下記の記事にて御餞別の意味と金額の相場について解説しました。
ぜひ、こちらもチェックしてみて下さい!
現金 なぜ奇数と偶数にこだわらないといけないの?
日本では、昔から古代中国の「陰陽思想」の影響を強く受け、何かしようという時はこの考えを元に考え、行動していました。
「陰陽思想」とは、世の中の全ての物事は、陰と陽、相反する形で存在していて、お互い、衰えたり盛んになったりすることをくり返しながら、新しく発展していくという考えです。
陰、陽とは・・・「明、暗」「天、地」「男、女」「善、悪」「表、裏」などで、数字では「奇数、偶数」になります。
偶数は、陰の数字
二四六八十の偶数は、静的かつ安定したものと考えられ「陰の数」とされています。
成長を妨げたり、縮めたりする不吉な数とされています。
奇数は、陽の数字
一三五七九の奇数は「陽の数」と考えられており、ものを生じさせ、成長させるめでたいものとされています。
また、奇数は「喜ぶ数」と書いて「喜数:きすう」と読ませ、語呂合わせでも縁起の良い数字として、慶事に良いとも考えられているようです。
数字には、陰の数(不吉の数とされる偶数)と、陽の数(縁起の良い数とされる奇数)があるのですね。
現金を扱う上でも物事をなす上でも、人々は昔から数字の陰陽を重く受け止め行動してきたんです。
この事を知らないと、場合によってはとても恥ずかしい思いをすることになるかもしれません。
縁起を担ぐ 語呂合わせが好きな日本
日本では縁起を担いで「奇数吉、偶数凶」といわれ、慶事には奇数、弔事には偶数が用いられてきました。
加えて数字では、悪い意味を連想させてしまう言葉や縁起の悪い忌み数は避けたほうが無難でしょう。
4という数字は「死」、9の数字は「苦」を連想させるので、奇数でも使われない事が多い数字です。
そして偶数は割り切れることから、「割れる」「別れる」を連想させるため、良くない数字ともいわれているのです。
ただし「8」は、 神道で「末広がり」を意味していることから、 おめでたい数字、縁起が良い数字として使われています。
また、偶数でも数字の2は、(1ペア、1対)、6個(半ダース)、12個(1ダース)として、1組と数えて、奇数と同じ意味合いに扱われることもあります。
昔からのこういった慣習は、絶対にこだわるべきものではないのですが、せっかく贈る御餞別ですので金額は吉とされる奇数にするのがおすすめです!
もし、どうしても偶数になってしまう場合は、「10」か「8」が良いそうです。
御餞別の金額は、1000円、8000円、10000円が相場になります。
数字の語呂合わせや数のマナーについては日本特有の考え方もあり、万国共通ということではないそうです。
もし異国の方へ御餞別を贈る場合は、その方の出身国の考え方を調べてみて下さい。
上司、目上の方に現金を贈ってもいいの?
海外赴任が決まった上司、または目上の方に、個人名で御餞別として現金を贈ることは、マナー違反なんだそうです。
できれば、同じ部署の人達みんなで「職場一同」として贈る方がよさそうです。
目上の方に贈る際は、のし袋の表書きには、「おはなむけ」や「お礼」と書いて贈りましょう!
また、現金で御餞別を渡すのは気が引けてしまうという方には、お別れや感謝の気持ちを込めて、みんなで商品券やギフト券、品物を渡すのもいいですね。
海外へ赴任される方、特に女性へのプレゼントに迷ったら、こちらの記事をご覧ください!
きっと喜んでもらえるプレゼントが見つかるはずです。
御餞別を渡すときの現金・のし袋の扱い方
お金についても、色々知っておきたい事がたくさんあります!
こちらでは、御選別で現金を贈る際のお金の扱い方とのし袋についてご紹介させていただきます。
知っていて損はないことですので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
現金の扱い方について
現金の扱い方については、以下の3点がポイントです。
- どんなお札を用意するか
- お札の向き
- お札を入れる順番・枚数
この3点について、解説していきます。
①どんなお札を用意する?
海外赴任される方の新しい門出を祝って、新しいお札を用意しましょう。
お祝い事には、新札を用意する事がマナーとされています。
「あなたの為に、前もって準備しておきました」
という心遣いを表すためにも、新札を用意します。
受け取った方もピカピカのお札を見て気持ちが良くなり、喜んでくれるはずです。
また、使い古したお札を入れてしまうと、常識がない人や心遣いできない人などと思われてしまうかもしれません。
お祝い事には、事前に新札を用意しておきましょう。
新札は、銀行の窓口か両替機で交換できます。
銀行によっては手数料がかかりますので、前もって調べてみて下さいね。
また新札とピン札とでは、違いがあります。
- 新札とは:発行されてからまだ一度も使われていないお札。
- ピン札とは:発行後、使われているがまだ一度も折り目が付けられていないお札。
どうしても新札が用意できない時は、ピン札で対応しても失礼にはなりませんので安心して下さい。
②お札を入れる向きは?
お札の向きは揃えましょう!
お札の向きがバラバラだと、お相手をガッカリさせてしまうかもしれません。
表裏の見分け方は、肖像画が描かれている方が表、描かれていない方が裏です。
表裏そして上下を揃えて、中袋の表面から見た場合にお札の表が見えるように入れます。
中袋からお金を取り出した際、すぐに肖像画が見えるようにしましょう。
③お札を入れる順番、枚数は?
表側に一番大きいお札を入れるのがマナーだそうです。
例として、二万円を御餞別として渡す場合を解説します。
まず、お札の種類ですが、一万円札が1枚と五千円札が2枚で合計3枚の奇数が好ましいでしょう。
そして、のし袋には中袋の表面から見て、一番手前が一万円札、その後ろに五千円札2枚という順番で入れます。
ただし、枚数に関しては最小枚数が良いという慣習もありますので、臨機応変に対応して下さい。
のし袋に関して
♦のし袋の種類:紅白の蝶結びの水引きがついたのし袋を用意してください。
蝶結びには、1度解いても何度でも結び直せるという意味があり、お祝い事を何度も繰り返したいという願いが込められています。
のし袋には、お金を入れる中袋と結びの絵柄や装飾が付いているもの、そして上包みがあります。
上包みの折り方に悩んでしまう人も多いのではないでしょうか?
御餞別のようなお祝い事は、上包みの上の折り返し部分に下の折り返しの部分が上に重ねるような折り方が正しいです。
♦上包みの折り方
ちなみに、お悔やみの時は上包みの上の折り返し部分が、一番上になるように重なねて、方向は下を向く方向になりますので、お気をつけください。
♦書き方
名入れ:贈り主の名前。
連名の場合は、複数の人が少しずつ出し合ったお餞別をまとめる時には、のし袋の下段は「◯◯部一同」
表書き(のし袋の上段):お餞別、お礼、おはなむけ、ご栄転、御祝など。
♦渡し方
相手との関係性によっても、渡すタイミングが変わってきます。
- 職場の場合は、お別れの挨拶の後や送別会など。
- お友達や家族ならお別れ会などのパーティの時に。
メッセージやプレゼント(手紙、寄せ書き、アルバム、お花、記念品など)と一緒に渡せたらいいですね!
こちらの記事でも餞別ののし袋、書き方、商品券について詳しく解説しています!
ぜひ、参考にしてください!
日本の慣習、考え方、マナーを知って安心して贈りましょう
海外赴任される方に現金を贈る場合は、昔の慣習を気にする方にも配慮して用意する方が失礼がなく好ましいです。
なので、吉の数とされる奇数の金額を贈ることをお勧めしました。
また、現金の扱い方やのし袋のマナーについては、以下の通りです。
- 新札を使用
- お札の向きは揃えて肖像画が上に来るように
- 複数枚の場合は、大きな金額の物を一番前に
- のし袋は、水引きを使用
- 上包みの折り方は、祝儀の場合は、下の折り返し部分が一番上に来て、上の方向に向いて折ること
- 目上の方に贈る場合は、書き方に注意。(「御選別」ではなく、「おはなむけ」「お礼」にする)
- 送別会やお別れパーティなどの最後の挨拶が終わった頃にタイミングよく渡す
せっかくお世話になった方へ贈る御選別ですから、沢山の感謝を込めて礼節に習って渡しましょう。
そうすることで、あなた自身の成長や心遣いもお相手は感じ取ってくださるはずです。
読者様の気持ちが届きますように!!
最後までお読みいただきありがとうございました!
決まりはあるのかしら?